機械学習とドッキング法、DNAエンコードライブラリのスクリーニングで汎化性に課題

DNA-encoded librariesDELmachine learningcomputational screeningdockingcofoldinghit finding
  • 本研究は、DNAエンコードライブラリ(DEL)のスクリーニングデータを用いて、タンパク質-リガンド結合予測における機械学習、物理ベースのドッキング法、コフォールディング法を比較評価した。
  • 比較対象には最新の機械学習モデルに加え、物理ベースのドッキングツール(Schrodinger Glide、Rosetta GALigandDock)、およびコフォールディング法のBoltz-2が含まれる。
  • 正解データとして、3種類の生物学的に多様なタンパク質標的と複数のDEL合成フォーマットにわたる超大規模DELセレクション実験の結果が用いられた。
  • 本研究は、DELデータで学習した上位のMLモデルでさえ分布外(OOD)の化学空間への汎化に失敗したとするNeurIPSコンペティションの結果を受けたものである。
  • MLモデルは分布内では良好な性能を示したが、分布外でのヒット識別性能は標的やリガンドの文脈に依存し、あらゆる場合で一貫して優れた手法は存在しなかった。
  • 著者らは、ベンチマーク上の性能だけでは分布外への汎化性を予測できないと結論し、DELスクリーニングデータに対する結合予測手法の評価用オープンソースパッケージ「DEL-iver」を公開した。
💡 ポイント

これは、ドッキングの再スコアリング工程を単一のMLモデルに置き換えたがる人に送りつけたくなる論文だ。「OODで圧倒的に強い手法はない」という結論がすべてを物語っている。実際のトリアージ作業は常に、モデルが見たことのないスキャフォールドが相手であり、分布内DELデータで出したベンチマークAUCは、来週持ち込む新規化合物をどうランク付けするかをほとんど教えてくれない。これはMLを否定する話ではない――Boltz-2のような手法は高速なフィルターとして本当に有用だ。だが、物理ベースのドッキングやコフォールディングは、MLが怪しいときだけ頼る保険ではなく、常に並行して走らせるべきだという根拠になる。ターゲットやリガンドの文脈依存性が強い以上、社内で「これが最良のパイプライン」と決め打ちすることもできず、ターゲットごと、ケミタイプごとに毎回検証するしかない。DEL-iverがオープンソース化されたのは実務的にありがたい話だ――ベンダーがTanimoto類似度で見栄えよく見せた社内数値を信じるより、共有のOODベンチマークの方がよほど頼りになる。

Assessing the Generalizability of Machine Learning and Physics-Based Methods with DNA-Encoded Libraries ↗

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