新規スクリーニング法でUSP7の非阻害性リガンドを発見、DUBTACによるCFTR安定化へ
- 脱ユビキチン化酵素(DUB)の触媒活性を阻害せずに結合するリガンドは極めて見つけにくい。この課題に応えるため、ビーズ上での近接駆動型機能スクリーニング基盤が新たに構築された。
- こうした非阻害性DUBリガンドは、DUBを標的タンパク質にリクルートしてユビキチン標識を除去することでタンパク質を安定化させる二機能性分子であるDUBTAC(脱ユビキチン化酵素標的キメラ)の開発に不可欠であり、分解を利用する従来の標的タンパク質分解(TPD)とは逆の作用機序を持つ。
- この希少性こそが、DUBTAC開発における最大のボトルネックとなってきた。
- このプラットフォームを用いて、研究チームは脱ユビキチン化酵素USP7に対する、これまで報告されていない非阻害性リガンドを発見した。
- このUSP7リガンドをCFTR結合部位と結合させることで、DUBTACのリード化合物WJ045を作製し、細胞内のCFTRタンパク質レベルを安定化させた。
- この結果は、DUBリクルーターの発見と標的タンパク質安定化療法の推進における本プラットフォームの有用性を示しており、嚢胞性線維症の生物学にも関連する。
💡 ポイント
非阻害性DUBリガンドは言うほど簡単な話ではない。触媒クレフトに触れずにUSP7を占有するバインダーが要るので、通常の活性阻害スクリーニングではそもそも的外れになる。だから面白いのは分子そのものより、このビーズ上・近接駆動型機能アッセイのほう。他のDUBにも展開できる手法かどうかが、この領域の本当のボトルネック解消につながる。DUBTACはこれまでPROTAC一辺倒の陰でずっと手薄だった逆方向の化学だ。WJ045がCFTRを安定化させたのは良い実証だが、まだ細胞レベルの単一リードアウトにすぎない。USPファミリー全体での選択性と、このプラットフォームが本当に別系統のDUBリガンドを生み出せるかを見たい。