初のCRBN依存性分子糊、スプライソソーム関連タンパク質WBP4を選択的に分解
- CRBN結合化合物ライブラリのプロテオミクスプロファイリングとそれに続くSAR最適化により、dWBP4-1を同定。
- 分子糊(モレキュラーグルー)として働き、典型的なG-loop媒介相互作用を介してCRBNとの三者複合体を形成し、スプライソソーム関連の足場タンパク質WBP4(WW domain-binding protein 4)をリクルートする。
- 分解反応は速やかに進行し、ナノモル濃度で作用する。
- プロテオーム全体での選択性は高いと報告されており、他の転写産物やオルタナティブスプライシングへの影響はほとんど見られない。
- WBP4の最小分解シグナル(デグロン)領域(約41残基)を特定し、これを利用して融合タグ型分解プラットフォーム「wTAG」を構築。
- wTAGは、一部の二機能性分解誘導剤で見られる「フック効果」を伴わず、単調用量依存的な標的分解を可能にする。
💡 ポイント
G-loopを介した典型的な三者複合体形成という点にまず安心する——目新しいネオ基質界面ではなく、すでに臨床で実証済みのCRBN表面そのものだ。約41残基というコンパクトなデグロンは、tractabilityを測るうえでの本当の手がかりで、拡散したIDRではなく明確な構造エレメントを示唆しており、SARが偶然任せではなく合理的に進められることを意味する。ナノモル濃度での高いプロテオーム選択性が謳い文句の数字だが、スプライソソーム関連タンパク質が標的である以上、「下流への影響は最小限」という主張は直交的なスプライシング/トランスクリプトームデータで裏付けを取ってから信じたい。個人的に自分の研究に持ち帰りたいのはwTAGの方だ——モノバレントでフック効果のないデグロンタグは、標的検証実験でのクリーンな用量反応という点でdTAG型の二価系を上回る。WBP4自体が創薬標的になるかどうかとは独立の価値がある。