マイクロモルからナノモルへ:肝細胞癌を狙う新規ファーストインクラスB3GAT3阻害剤

B3GAT3hepatocellular carcinomafirst-in-classstructure-activity relationshiplead optimization
  • B3GAT3(ベータ-1,3-グルクロン酸転移酵素3)は肝細胞癌(HCC)で過剰発現しており、予後不良と相関する、これまで標的とされてこなかった有望な抗がん標的である。
  • 研究チームはマイクロモル濃度域の阻害活性を持つ自社リード化合物TMLB-C16を出発点とした。
  • 構造に基づく設計により、6-メトキシキノリン-4-カルボキサミド骨格を持つ60種の新規誘導体を合成し、体系的な構造活性相関(SAR)解析を行った。
  • この最適化により、活性がマイクロモルからナノモルへと大幅に向上した候補化合物TMLB-G9が見出された。
  • TMLB-G9はファーストインクラスのB3GAT3阻害剤として報告されており、HCC治療薬開発への新たな出発点となる。
💡 ポイント

糖転移酵素は昔から創薬泣かせな酵素クラスだ――UDP-糖供与体と伸びていく糖鎖受容体を掴むための浅く溶媒に露出したポケットで、低分子がすっぽり収まるような場所ではない。だからこの標的でナノモル濃度まで到達した阻害剤には素直に注目したくなる。1つのスキャフォールドでマイクロモルからナノモルまで60誘導体というのは、この分野の基準からすればかなり効率的なSARキャンペーンだ――手当たり次第の探索というより、ホットスポットを的確に潰した印象を受ける。6-メトキシキノリン-4-カルボキサミドという平面的でスタッキングしやすい骨格は、UDP-GlcA供与体全体を模倣するというより、糖結合クレフト付近の溝に入り込んでいることを示唆している。本音を言えば気になるのはB3GATファミリーだ――B3GAT1/2/3は同じフォールドを共有しており、選択性データはまだ示されていない。腫瘍領域で糖転移酵素のfirst-in-class阻害剤はまだ珍しく、その意味で本物の新しいツールだと思うが、この段階での「first-in-class」は重要なパラログに対して未検証というだけの話でもある。

Structure-Guided Design, Synthesis, and Evaluation of Novel 6-Methoxyquinoline-4-carboxamide Derivatives as First-in-Class Nano-Molar B3GAT3 Inhibitors for the Treatment of Hepatocellular Carcinoma ↗

← アーカイブに戻る