ノボ ノルディスク、ジルチベキマブの心疾患試験2件を無益性判定により追加中止
- ノボ ノルディスクは、データモニタリング委員会が無益性を指摘したことを受け、ジルチベキマブの第3相試験HERMESとATHENAを早期中止する。
- ジルチベキマブは炎症性サイトカインであるインターロイキン6(IL-6)を標的とする抗体で、両試験は炎症を伴う心不全患者を対象としていた。
- 委員会は、7月に心血管系の主要評価項目を達成できなかった先行の第3相ZEUS試験と異なる結果が出る可能性は低いと結論づけた。
- HERMESは心血管死または心不全関連の入院・緊急受診までの期間を、ATHENAはQOLを含むより広範な心不全関連の転帰を評価していた。
- 同社は、心筋梗塞後の急性期治療としてジルチベキマブを評価する別の第3相試験ARTEMISは継続し、2027年前半に結果が判明する見込み。
- 相次ぐ失敗により、IL-6阻害が心血管疾患治療の有望な戦略かどうかに疑問が投げかけられている。
💡 ポイント
心血管エンドポイントでの失敗はこれで3回目——7月のZEUS、そして今回のHERMESとATHENA。もはや試験設計の問題として片付けられるレベルではなく、DMCの無益性判定はこれ以上ないほど明確な「終了」シグナルだ。 サンクコストは軽視できない。ジルチベキマブはGLP-1依存からの脱却を狙うノボの看板的な多角化戦略だったはずで、今回の結果はNovartisがCANTOS以降のカナキヌマブで実証に苦しんだ「炎症と心血管疾患」仮説そのものを揺るがす。IL-6は心不全の創薬標的として、単なる検出力不足ではなく構造的に脆弱に見え始めている。 ARTEMISが2027年まで続くのは、確信というよりサンクコストによる惰性という印象が強い。心筋梗塞急性期は異なる病態だが、組み入れが鈍れば読み出し前の静かな打ち切りもあり得る。 より広く見れば、GLP-1以外のノボのパイプラインがいかに薄いかを改めて浮き彫りにする——肥満・糖尿病領域の競争が激化する局面で。
Updated: Novo Nordisk cans two more trials of IL-6 heart drug for futility ↗