ダイレクト・トゥ・バイオロジー戦略で選択的GRP78阻害剤を開発

lead optimizationGRP78HSP70chemical probeDirect-to-Biologyoncology
  • GRP78(BiP/HSPA5)は保存性の高いHSP70ファミリーに属するシャペロンであり、アイソフォーム選択的な阻害剤の設計は困難とされてきた。
  • 研究チームはダイレクト・トゥ・バイオロジー(D2B)戦略——中間精製を行わず合成から生物学的スクリーニングへ直結させる手法——を用い、選択的GRP78阻害剤として化合物12を同定した。
  • 化合物12はGRP78の基質結合ドメイン内のペプチド結合ポケットに結合し、他の試験対象HSP70アイソフォームに対して選択性を示す。
  • A549肺がん細胞を強力かつ選択的に死滅させる一方、他の試験対象肺がん細胞株にはほとんど影響を与えなかった。
  • 細胞熱シフトアッセイ(CETSA)により細胞内でのGRP78への結合が確認され、GRP78関連の小胞体ストレス応答(UPR)シグナルを調節することも示された。
  • 著者らは化合物12を、GRP78生物学を解明するためのケミカルプローブ、およびGRP78標的治療薬開発の出発点として位置づけている。
💡 ポイント

基質結合ドメイン、しかもATPaseポケットではない――難易度は高いが、選択性を狙うなら理にかなった標的だ。HSP70ファミリーのプログラムの大半はヌクレオチド部位を狙い、その交差反応性の問題をそのまま引き継いでしまう。ペプチド結合溝からGRP78選択性を引き出せたのは、正真正銘の創薬化学の成果だ――あの手のポケットは浅く、構造的に乱雑な結合を許しやすい。次に見たいのはD2Bから得られたSARの流れだ。粗製プレートのヒットから一気にCETSAでの結合確認まで進むのは速いが、未精製の反応液由来の効力値を信じる前に、クリーンな再合成と用量反応曲線を確認したい。とはいえA549選択的な殺細胞活性を持つプローブ級の出発点として、化合物12はATPase部位狙いの二番煎じではなく、最適化を続ける価値のある正当なテンプレートだ。

Development of Isoform-Selective GRP78 Inhibitors from a Direct-to-Biology Strategy ↗

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