GSK、HA/NA二重標的のmRNAインフルエンザワクチンを第3相試験へ
- GSKは季節性インフルエンザmRNAワクチン候補の第3相試験を開始する。第2相試験(Flu-028、成人約971人)で、承認済みの既存ワクチンより全ての対象株に対して強い免疫応答が示され、忍容性も良好だった。
- 現行の承認ワクチンの多くはヘマグルチニン(HA)のみを標的とするが、GSKの候補はもう一つの主要表面タンパク質であるノイラミニダーゼ(NA)も標的とする。
- HAとNAの両方を標的とすることで、防御効果の向上、症状の重症化抑制、感染拡大の抑制につながる可能性を示す科学的根拠が増えている。
- 今回の第3相試験は、HA/NA両標的型mRNAインフルエンザワクチンとして初の後期段階試験となり、モデルナの単一標的mRNAインフルエンザワクチンに対抗する動きとしても注目される。
- FDAは2026年7月に本候補にファストトラック指定を付与しており、GSKは今月中に第3相試験を開始する予定。
💡 ポイント
GSKの賭けは、フェーズ2で見られた免疫応答の強さが、実際の臨床的便益──感染減少、症状軽減、伝播抑制──に転換するかどうかだ。これはModernaが承認済みのHA単独mRNAワクチンでは得られない差別化になり得るが、まだ大規模での証明はない。「NAが重要」という仮説を検証する初のフェーズ3試験となる。 これは製品というよりプラットフォームのシグナルだ。PfizerやModernaの第一世代・単一抗原mRNAワクチンに後れを取ってきたGSKにとって、フェーズ3成功はより複雑な多抗原設計を扱えるmRNA基盤の実証となる。 インフルエンザワクチン市場は大きいが季節性・コモディティ化・価格圧力が強い。真の狙いはインフル収益そのものではなく、RSVや複合呼吸器ワクチン、パンデミック対応プラットフォームへ二価・多価mRNAを展開する前の実証の場としての価値だ。 成功すれば、mRNAインフルエンザを巡る競争軸は「mRNA対鶏卵培養」から「抗原をいくつ重ねられるか」へ移る──第一世代を超えつつあるこのレースの次の差別化要因だ。
GSK catches phase 3 fever after mRNA flu vaccine beats standard shots ↗