鉄(II)活性化型コンジュゲートによるHDAC阻害剤パノビノスタットの腫瘍選択的放出

HDAC阻害剤薬剤コンジュゲートパノビノスタット腫瘍選択的活性化遺伝毒性軽減多発性骨髄腫
  • ヒドロキサム酸系HDAC阻害剤は、メタロ酵素に対する選択性が低く、イソシアネート代謝物に起因する遺伝毒性のリスクも抱えている。
  • 本研究では、既報の鉄(II)活性化型コンジュゲートプラットフォームを汎HDAC阻害剤パノビノスタットに適用し、腫瘍選択的なペイロード放出を目指した。
  • 多発性骨髄腫の細胞株モデルにおいて、コンジュゲート形態でHDAC活性のケージ化に成功し、バイオイソスター対照化合物では遊離ヒドロキサム酸体に比べ遺伝毒性が軽減された。
  • その後の解析で、カルボキシルエステラーゼCES1がパノビノスタット・コンジュゲートの予期せぬタンパク質分解的不安定性(in vitroおよびin vivo)の原因であることが同定された。
  • この知見は、ヒドロキサム酸に伴う毒性・変異原性を腫瘍選択的活性化によって軽減するという最終目標に向けた、今後の課題として位置づけられている。
💡 ポイント

パノビノスタットのヒドロキサム酸をFe(II)トリガーの陰に隠すのは、このケモタイプを悩ませてきたイソシアネート由来の遺伝毒性リスクに対する筋の通った対処法だ。バイオアイソスター対照体がフリー体より遺伝毒性を実際に下げているというデータは、HDAC阻害剤を「より安全」と謳う前に欲しかったものだ。 だが私が食いついたのはCES1の話——コンジュゲートがin vitroでもin vivoでもエステラーゼに分解されるというのは、きれいなMM細胞アッセイだけでは絶対に見えてこない破綻モードだ。これは脚注ではなく、次のイテレーションの設計課題そのもの——CES1認識モチーフを回避する分子設計にするか、直交的なマスキングを追加するかだ。 IND対応パッケージで発覚するより、今この段階で報告されている方がずっとありがたい。この一つのヒドロキサム酸に限らず、Fe(II)活性化ペイロードを作る誰にとっても有用な教訓的データだと思う。

Toward Tumor-Conditional Release of Histone Deacetylase Inhibitors from Nongenotoxic Drug Conjugates ↗

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