新規天然物がCav3.1カルシウムチャネルを選択的に阻害
- 植物Hypericum reptansから5種の新規天然物hyreptaones A-E(化合物1-5)が単離され、1,2-seco-二環性ポリプレニル化アシルフロログルシノール(BPAP)という新規クラスが定義された。
- 化合物1-3は、希少な3,3-ジイソプレニル化BPAP前駆体に由来する初めての1,2-seco-BPAPであり、化合物4と5は1,2-seco-BPAP骨格がさらに環化して生じた珍しいスピロ環状6/5/5構造を持つ。
- 構造はスペクトル解析とX線結晶構造解析によって決定された。
- 5化合物はいずれも、他のT型カルシウムチャネルサブタイプよりもCav3.1を優先的に阻害し、アイソフォーム選択性を示した。
- 化合物4と5はさらに、Cav3.1のゲーティングに対して状態依存的な調節作用を示し、新規クラスのCav3.1アロステリックモジュレーターであることが明らかになった。
💡 ポイント
T型チャネルファミリー内でのアイソフォーム選択性(Cav3.1 対 3.2/3.3)は、この分野でまさに欠けていたピースだ。これまで見てきたT型ブロッカーの多くは選択性に乏しいポアブロッカーで治療域が狭かったから、5化合物が揃ってCav3.1優位性を示すのは注目に値する。 より興味深いのは4と5が示す状態依存的なゲーティング調節で、アロステリックかつコンフォメーション選択的な作用様式は、力任せのチャネルブロックよりも高い選択性とオフターゲットリスクの低減につながりやすい。 とはいえ、このスキャフォールドが創薬展開の出発点になるかは懐疑的だ。立体化学の決定にX線構造解析が必要なスピロ環6/5/5のBPAP骨格は、合成上のボトルネックを予感させるし、1種の植物から単離された5化合物というのはサプライチェーンとは呼べず、むしろ将来のボトルネックそのものだ。 最適化可能だと信じる前に、簡略化した切断誘導体でのSARを見たい。