ハイスループットスクリーニングにより、既知のGABA-B調節薬CGP7930が心臓ミトコンドリアCa2+取り込みを高める強力なMCU活性化剤であることを発見
- 研究チームは、選択的な作動薬がほとんど存在しないミトコンドリアカルシウムユニポーター複合体(MCUc)の薬理学的活性化剤を探索するため、1,280種の既知生理活性化合物ライブラリをスクリーニングした。
- スクリーニングの結果、もともとGABA-B受容体のアロステリック調節薬として知られていた化合物CGP7930が、ミトコンドリアカルシウム取り込みを強力に活性化することが判明し、難しい標的に対するドラッグリポジショニングの可能性を示した。
- メカニズム解析により、この活性化作用がユニポーター複合体の主要な制御サブユニットであるMICU1に依存することが示され、非特異的な膜作用ではなく特異的な作用機序であることが裏付けられた。
- ミトコンドリアへのカルシウム流入増加は心臓の収縮性バイオエナジェティクス(エネルギー代謝)の改善につながり、心臓のエネルギー代謝障害に関連する病態への応用可能性が示唆された。
- 本研究は、より選択的な次世代MCU活性化剤の開発に向けた有用な薬理学的ツール化合物と出発点を提供するものである。
💡 ポイント
CGP7930がMCU活性化剤として引っかかってきたのは、渡りに船でもあり厄介の種でもある典型的なヒットだ。本当に面白いのはMICU1依存性の方で、これは膜を非特異的に透過させたり無理やりポアをこじ開けたりしているのではなく、制御サブユニットの界面に効いていることを意味する——選択性のハンドルを立ててSARを組むならまさに欲しい性質だ。 ただしこの化合物にはGABA-B PAMという本業がある。リードとして手を出す前に、まずカウンタースクリーンを回し、GABA-B親和性を落としながらMCU活性化を保つSARシリーズを組む必要がある。これはボーナス作業ではなく、ポリファーマコロジー選別の必須工程だ。 既知化合物のリパーパシングはPK/毒性データをくれるが、独自IPや最適化された活性はくれない——あくまでスタート地点であってリードではない。 とはいえMCUのツール化合物棚がこれほど貧弱だった以上、検証済みの化学物質はどんなものでも追いかける価値がある。